粟島合宿2025体験記
- FRC フリーダム・ライディング・クラブ
- 8月29日
- 読了時間: 3分
更新日:8月29日
先日開催された「粟島合宿(新潟県) 日本海に浮かぶ小さな馬の島」の参加者の声が寄せられました。FRCの活動についてご覧ください。
粟島合宿2025体験記 東京都 池田知子
新潟県の北部・村上市からフェリーで90分、初めて訪れた粟島は、空が広く緑と水の豊かな孤島でした。「馬の島」と聞きましたが、固有の粟島馬は昭和初期には絶滅し、14年前から北海道和種馬(ドサンコ)を導入して「あわしま牧場」を開き、島外からの小中学生を受け入れている島です。

ちょうど夏休みで子どもたちには会えませんでしたが、この「しおかぜ留学」経験者の大学生たちが、私たちの乗馬を手伝ってくださいました。ドサンコは賢くて強情だと聞きますが、ここの馬たちは非常によく調教され気持ちよく動いてくれます。年間100日はここで指導される藤田知己先生が、丸馬場での調教を見せてくださいました。びっくりしたのは、藤田先生が合図するだけで馬が自分で方向転換して障害を跳んでいくのです。子どもたちを乗せるだけに、安全な馬を育てることに尽力されているそうです。

藤田先生は公益社団法人・全国乗馬倶楽部振興協会で各地の乗馬普及や在来馬の活用について永年取り組んでこられた方です。「日本在来馬の現状と課題そして未来」をテーマにした講義は非常に勉強になる内容でした。50種類を数えた日本の在来馬は、小柄で軍馬に向かないという理由で淘汰され、現在残っているのはわずか8種、合わせても1570頭だそうです。粟島馬のように絶滅してしまった馬も多いわけですが、それでも法律の網を免れて生き残った馬たちもいて、その奇跡に感じ入りました。同時に現状の課題山積ぶりも考えさせられました。多様な日本の馬たち、何とか未来に残していきたいものです。

お天気に恵まれたこともあり、粟島でも30℃超えの暑さでしたが、牧場の目の前の海は澄んで美しく、海に入って裸馬に乗せてもらったり、馬の尻尾につかまって一緒に泳いだり、という楽しい体験をさせていただきました。また最終日は海岸線を何度も馬を替えて駈歩し、まるで風になれたような気分を味わえました。

島の海岸は外国からの漂着物も多く、私たちが走れるように前日整備してくださったとか。おかげさまで気持ちよく安全に乗馬することができました。

投宿した旅館たてしまでは、新鮮で豪華な海の幸を存分に味わいました。島独自の「わっぱ煮」も滋味深く美味しかったです。帰りのフェリー乗り場で、藤田先生はじめ牧場スタッフや学生さんたちが大漁旗を掲げて見送ってくださり、胸が熱くなりました。短いけれど充実した旅に感謝です。

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