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パリオ-イタリアが世界に誇る馬祭り

イタリア、トスカーナ州の小さな町シエナは、パリオ(Palio di Siena)という祭りによって世界にその名を知られている。



パリオとは、毎回国内外のアーティストによってデザインされる大きな絹の旗で、競馬の優勝賞品のことを指す。

 

祭りは伝統衣装に身をまとったパレードの後、メインイベントとして競馬が行われる。

 

祭りは毎年夏に2回、7月2日と8月16日に開催される。7月のパリオ(Palio di Provenzano)はシエナ中心部のプロヴェンツアーノ教会(1604)の聖母マリアを讃えるために17世紀に創設された。8月のパリオ(Palio dell’Assunta ) の起源は12世紀まで遡り、800年の歴史がある。聖母マリアの被昇天(アッスンタ)を讃えるものとなっている。(聖母被昇天:聖母マリアが復活して天に昇ったというカトリックの教義。キリストの昇天と区別して被昇天という)

 

シエナの中心部はコントラーダcontradaとよばれる17の地区から構成されている。パリオは、このコントラーダ同士による対抗戦として行われる。


各コントラーダ内には教会や集会場などがあり、それぞれが独自のカラーリングと動物などのシンボルをもっている。

 

コントラーダの人々は強い結束力を持ち、1年を通して大きな食事会、イベント、野外フェスタなどが行われている。様々に形を変えて行われてきた伝統的祭りのクライマックスが、このパリオの競馬なのだ。

 

競馬

 

競馬は市の中心部カンポ広場(Piazza del Campo)の石畳に砂を敷き詰めて作られた1周約400mの走路を3周する。各コントラーダをあらわすカラフルな衣装に身を包んだ男たちが、裸馬にまたがり全力で馬を駆る。



 

観客は約4万人、その模様はイタリア全土に生中継され、毎回国内外のVIPがシエナ市に招待されて観戦する。

 

試合の前に地区の教会で馬も騎手も司祭からミサを受け、祝福を与えられる。

 

馬は抽選なので、良い騎手でも良い馬に当たらないこともある。


競馬場にくらべて直線は短く、カーブはきつく、そこを全力疾走する鞍無しの馬に乗っているので振り落とされる騎手も多い。たまに騎手無しの馬がゴールをきることもある。空馬(からうま)でもゴールは有効とされ一位になることがある。


スタート順も抽選で、2本のロープの間のスタートエリアに順番に入って行く。最後の馬は不利であると同時に最も有利になる場合もある。最後に入場する騎手はフェイントをかけながら勢いをつけてエリア内に飛び込んでそのままトップでスタートすることが多く騎手の腕と経験が勝敗を左右する。


勝っても泣き負けても泣いて、ガタイのいい100キロ越えの男たちが抱き合ってわんわん泣いている。

 

シエナの人々(Sinese)にとってのパリオ


シエナ人は産まれた時から地区の教会で洗礼を受けその地区のメンバーとして1年中、寄り合いやバザーや食事会と仲間意識が培われる。


シエナの母親にとって何よりの自慢は息子がパリオの旗手に選ばれる事で、小さい時からパリオでの仲間意識で強く結ばれているので登校拒否や非行少年が極めて少ないという。 他の町の人は彼らの熱狂には絶対入り込めない。決して観光用のお祭り、競馬イベントではなく500年続いてきた伝統であり、文化、魂なのだ。


シエナ人(seneseセネーゼ)はこの日のために生きているといっても過言でないほど熱狂的だ。


地元の老人は言う。It’s not just a horse race, for us it’s life.

(ただの競馬ではない、我々にとってそれは人生なのだ)。


テレビだとその熱狂がよく伝わらず、また無料の広場内は数万人がひしめき、試合が始まると広場に入る事も出る事もできない。最も暑い時期であり倒れる人も多い。広場内では大きなどよめきが聞こえるだけで何が起こっているのか全くわからず、やはり観覧席から鑑賞するのが望ましい。観覧席の数は非常に限られていて簡単に席は取れない。FRCでは現地の特別な伝手を通じ、来年7月2日のチケットを6枚だけ押さえてあります。

 

YouTubeでいろいろ見られますが、下記のものがお勧めです。

英国BBC   9分48秒  17jockeys, 3 laps and 70 seconds to win one of Italy’s most intense rivalries -BBC

ツアー「イタリア・トスカーナ 乗馬と芸術の旅」はこちら

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